INTERVIEW

他業種からこの業界に飛び込んだ広告パーソンが目撃した、テレビビジネスの奥深さ。

  • Shohei

    Director

    2014年に中途社員として入社後、テレビバイヤーを歴任。スポット、タイムを問わず、幅広く携わっている。

簡単な自己紹介をお願いします。

  • 2020年2月時点で、転職してから6年目です。入社当初からテレビバイヤーをしています。最初に担当したのはテレビ朝日系とテレビ東京系のスポット。入社後、半年くらいでタイムも担当することになりました。今は日本テレビ・テレビ朝日・テレビ東京系列のメディアバイヤーの統括 及び ラジオバイヤーをしています。現場のバイヤーとクライアントサイドの間の社内調整や、対テレビ局とラジオ局の外交も受け持っています。

テレビ広告について、基本的なことを教えてください。

  • ひとえにテレビ広告といっても、大きくタイム広告とスポット広告の2つの商品があります。タイムCMは「~の提供でお送りしました」とテロップ(提供表示)が出る広告で、最小単位は30秒、期間は2クール(6カ月)が基本となります。一方、スポットCMは番組を指定することはできませんが、最小単位15秒から期間を自由に設定して出稿するメニューになります。その他にも、最近では15秒CMを一本単位で購入できる新たな商品も登場しています。
    少し自社の話をすると、現在弊社はタイムよりスポットの扱い(売上)が多い代理店です。タイムの扱いが少ないということは、ただ待っていてもテレビ局から情報を得ることはできないということを指します。テレビ局の商品や編成、スポンサーや競合代理店・市況・人事など、様々な情報にアンテナを張り、競合代理店以上にテレビ局へ訪問し、情報収集を怠らないことが大切です。総合広告代理店のメディア部門として、テレビ広告の柱となるタイム・スポットは勿論、様々な商品を信頼してお預けいただけるよう、日々全力で作業をしています。

今までで最も印象に残っている仕事はなんですか?

  • とあるクライアントのタイム案件です。先ほどお話をした通り、タイムは2クール(6カ月)の契約が基本となりますが、当時、クライアントの希望として、某番組を「商品の特性上、3カ月間(1クール)で購入したい」という相談を受けました。
    当時この番組は様々なスポンサーからの引き合いがとても強い人気の番組でした。正直、1クールの作業は難易度が高く、テレビ局からも「2クールのクライアントを優先せざるを得ない」と言われていました(※より長期間にわたってスポンサードするクライアントがテレビ局のビジネス上優先されるため)。
    クライアントは勿論、上司・プランナー・営業と何度も話し合いを行い、1クールで勝負をかけました……。
    しかし、私の出張中に「他のスポンサーが2クールで決まってきた」という連絡が入り、冷や汗が止まりませんでした。急ぎ、出張先から電話でテレビ局とやり取りをし、代替案を模索しました。クライアントも出張中だったのですが、営業チームがクライアントを新幹線で追いかけ、代替案を提案……そして、その場で決定をもらってくれました。
    とても辛い体験でしたが、タイムの提案から決定までのプロセスを肌で感じましたし、万が一希望枠に収容できなかった際にどのような代案を提案するのかということも学べました。できなかったなら、次にどうするか。それを考える機会を得られました。

どんなことを意識して仕事に取り組んでいますか?

  • よく考えるのは、我々の部門は広告が世に出ていく際の「出口」であるということです。営業、プランナー、クリエイティブがどんなに優秀でも、バイヤーが出口を押さえられないと、広告は配信されていきません。買いたいものを買えないことほど不幸なことはありません。常に、緊張感を忘れずに日々の業務に取り組んでいます。

中途で入社されましたが、転職しようと思った理由を教えてください。

  • もともとは新卒で広告代理店に行きたかったのですが、最終面接で落ちてしまい、旅行代理店に入社して営業を4年間やりました。そのあと調査系の会社で新規事業の立ち上げを経験しました。今はメディアブランズが自分にとってベストだと思っています。
    営業をやっていた頃から、お金を稼ぐのが好きでした。メディアバイイングでも様々な付加価値の出し方、お金の稼ぎ方があります。転職するときはテレビバイヤーという仕事は知りませんでしたが。(笑)

新卒で入社する人には、どんな人に入ってほしいですか?

  • 2つあります。
    まずは、「浸かれる人」です。広告代理店の業務は良い意味で細分化されています。メディア部門であれば、担当する媒体にどっぷり浸かることが大切です。社内外の誰と話すにしても、仕事の話は情報の粒度が細かい人としたいですよね?なので、スポーツでもお笑いでも何でも良いので、特定の物事にどっぷり浸かった経験がある人は強いなと思います。
    もう一つは、「臨機」です。当然、業務を進めていく上で、上司や先輩社員が丁寧に教えてくれますが、前職の大手旅行代理店と比較すると、いい意味で早めに一人前扱いをしてくれる会社だと思います。自分で聞いたり調べたりしないと、その人自身もつまらないし、ビジネスにもプラスになりません。自分で考え、咀嚼できる人は向いていると思います。