INTERVIEW

アメリカからやって来た戦略プランナーが語る、ジャパンオフィスで働くということ。

  • Uma

    Strategic Planner

    USオフィスなどで勤務後、2017年に来日。外資系クライアントの戦略プランナーとして働いている。

自己紹介をお願いします。

  • Umaと申します。以前はニューヨークのUM(※Universal McCann。の部署の一つで、プランニングを司る)で戦略プランナーを担当していました。
    日本には2017年にクライアントのワークショップで初めて来ました。その時に日本のメンバーにも会っていました。ワークショップは原宿で行われたのですが、竹下通りを歩いていて、これまで自分が接してきたのとはまったく異なる、新しいカルチャーをそこかしこに感じました。ティーンエイジャーをはじめとした、日本の生活者の行動をとても新鮮に感じて、日本への好奇心に火が点きました。
    クライアントの多くは、ただ広告会社を探しているだけではなく、マーケティングパートナーを見つけたいと思っています。ビジネスのゴールまで考えたうえで、IMC(※Integrated Marketing Communicationのこと。ターゲットに対して一貫したメッセージを届けていくための統合的なコミュニケーション戦略)の設計が求められるUMなら、そうしたマーケティングパートナーになれると感じました。

日本に来た時の印象はどうでしたか。USとの違いも教えてください。

  • 日本オフィスで働くことが本当に大好きです。USでは、UMの規模が非常に大きいです。だいたいですが、人数でいうと日本の4倍くらいの人がいます。日本では、USよりも規模がずっと小さいことが、有機的な協業を可能にしています。
    組織が大きすぎると、チームはよりサイロ化し、人々はそれぞれの役割に固執しがちになります。私もUSではクライアントとプランナーが主にコミュニケーションの相手でした。ですが日本では、我々は複数の役割を同時に果たし(wear multiple hats)、営業、戦略プランナー、デジタルスペシャリスト、メディアプランナーなど、様々な職種の人々と一緒に仕事をしています。
    私たちは組織として急速に成長していますが、組織が大きくなっても、有機的なコラボレーションを継続できていることが、日本オフィスの誇りです。

日本に来る前と来た後でギャップはありましたか?

  • 先入観で、日本ではヒエラルキーがきっちり決まっていて、年功序列の風土が強いのかと思っていましたが、実際に数年働いてみて、違った印象を持ちました。若手でも実力を示せば認められ(recognized as rising stars)、どんどんチャンスを与えられる環境だと思います。世界中の他のUMオフィスと同じ雰囲気を、日本オフィスにも感じました。

UMパーソンとして働くうえで大事だと思うことを教えてください。

  • 大きくは三つあると思います。
    一つ目はアントレプレナーシップを持つことです。新しいアイデアや考えを恐れてはいけません。UMの素晴らしいツールやサービスはすべて誰かの「もっとビジネスをより良いものにできないか」という考えによって生まれたものです。
    二つ目は問題解決者であれということです。できないと言うことは簡単です。どれだけ問題が難しくても、解決策を考える人になりたいと思っています。コミュニケーションビジネスの状況は変化しており、その変化に対応して問題を解決していく人にならねばなりません。
    三つ目は、仕事にはコラボレーションが必要だということです。エージェンシーの素晴らしい仕事は、プランニングからエグゼキューションまで、すべての領域においてチームメンバーとコラボレートできた時に生まれます。我々の仕事に命を与えるようなアイデアをチームで開発することに努めています。

最後に、どのような方と一緒に仕事がしたいと思っているか教えてください。

  • 常識を疑って発想できる人(think outside the box)。これからのデジタルワールドにおける変化を先導したいと切に願い、デジタルメディアのもたらす広告への影響を理解している人。そして、広告を「ものを売るための手段以上のもの」と考えられる人です。